近代社会におけるスポーツ文化の機能

2018/08/07


現代社会においてスポーツ文化はどのような機能を果たしているか、視点を明記して論じなさい。


16fs231  板谷友貴


  私は、スポーツ文化が近代の社会において果たしている役割を政治の面から論じようと思う。

  スポーツは古来遊びとしての側面が大きかった。だが、近代に近づくにつれ経済的にも利用され始めている。

  2020年に東京にて開催される東京五輪パラリンピックなどを例にとって考えてみると、その経済的効果はとても高い。2017年3月7日に掲載された日本経済新聞によると東京に誘致されるのが決定した2013年からオリンピック終了10年後の2030年までに予想されている経済効果は、全国で32兆円との試算が出ている。32兆円というのは、日本の年間国家予算である103兆円のおよそ3分の1ほどにもなる。それだけでなく、全国のインフラ整備などによる雇用増加数は約194万に登るとされ、日本の経済に多大なるメリットを及ぼすことが、以上のことからも推察される。

  上記の内容は直接的な経済効果であるが、私が特にオリンピックがもたらす経済効果で大きな意味を持つと思うのは、外国人観光客が増加するということである。2003年1月に、小泉純一郎内閣総理大臣が施政方針演説で、2010年に訪日外国人旅行者1,000万人を目指す。と発言し、2013年の4月よりビジット・ジャパン・キャンペーンが開始されたのだ。ビジット・ジャパン・キャンペーンとは、2010年までに訪日外国人旅行者を1,000万人に増やすという政策であり、外国人観光客向けの各種割引等のキャンペーンや観光ビザの緩和などを行ったものである。実際に外国人観光客が1000万人を突破したのは2013年のことであるが、その経済効果は約80兆円、日本の年間国家予算にも迫ろうという金額である。日本には外国人が好むような施設が多くあり、元々外国人観光客からの利益は大きかったのだが、近年それがさらに顕著になってきていると私は感じる。恐らくそれは2020年に開催される東京オリンピックパラリンピックなどの影響が大きいのではないかと考えられる。

  だが、それと同時に東京オリンピックパラリンピック開催について問題点も多く発生してしまうのが現状である。私は先程インフラ整備などのために雇用者数の増加があったと言ったが、これは良いところだけではない。インフラ整備などの建設業においては、経験がモノを言う業種でありオリンピックのインフラ整備のために急遽集めた人材であってはあまり即戦力にならず、一過性の雇用に過ぎない。即戦力にならないのであれば、賃金が安い外国人を雇用するという流れになってしまうのも致し方ないことである。そして、その結果、日本人の雇用者数が減りさまざまな問題が起きてしまう。  

  例を挙げると、外国人犯罪者の増加、劣悪な労働環境で強制的に働かされる外国人の問題、日本人との賃金格差の問題などが挙げられる。これは日本企業が外国人は日本人が敬遠しがちな作業でも抵抗なく働ける人材という風に、外国人労働者を見ているという側面がある為ではないかと私は考える。

  他にも、スポーツが担う社会的な機能としては、基本的な礼儀を学べること、上下関係を知れること、友情を得ること、プレイヤーや監督に対して尊敬の念を抱けること、健全な精神の育成…などなどスポーツが近代の社会で担ってるいる役割は大きく、ほかの文化で代替することは今や不可能と言ってもいいのではないだろうか。先程あげた社会的機能は日本で生きていく上で非常に大切なことばかりである。

  だが、スポーツ文化は他に変え難い貴重な性質を持っているが、先程述べたようにスポーツが招く問題点は数多くある。改善するためには何が必要だろうか。

  改善策として、私はスポーツ省が掲げている理念をスポーツに携わる全ての人に認知させ、教育者がこの教えを説き、新しくスポーツ社会を担う子どもたちにスポーツ省の考えを定着させることが大切だと感じる。

  スポーツ省がめざす社会の姿としては1.青少年が健全に育ち、他者との協同や公正さと規律を重んじる社会

2.健康で活力に満ちた長寿社会

3.地域の人々の主体的な協働により、深い絆で結ばれた一体感や活力がある地域社会

4.国民が自国に誇りを持ち、経済的に発展し、活力ある社会

5.平和と友好に貢献し、国際的に信頼され、尊敬される国

の5点である。

  もちろん、大人たちにもスポーツ省の持つ理念を普及させるべきではあるが、スポーツ省は2015年に発足された新しい組織であるため、大人たちには既存の今まで持ってきた考え方があるので急な思想の変化は望めない可能性が高い。だが、従順で先入観のない子どもの方が、新しい考えは受け入れられやすいのではないだろうか。

  また、外国人の犯罪増加に対する案としては、外務省は以下のような回答を示している。「研修・技能実習制度に関し、研修生等の失踪が犯罪の増加に直結しているのであれば、彼等への十分なケアを促すことで、同時に犯罪防止策になるのではないか。 」

外国人犯罪を取り締まることは重要であるが、何故外国人が犯罪に走るのかについても踏み込んで究明していかなければならない。それが在日外国人の教育問題や労働問題等の対策にも関連することになる。」

などである。私はこれに賛同する部分もあるが、これだけでは対策としては不十分であると感じる。私が考える対策としては、劣悪になりがちな外国人労働環境を変えることや、雇用者の認識を新たにし、低賃金で雇える労働者という考え方から日本人が持たない技術をもった優秀な技術士という考えを持つことが大切だと考える。

  まとめとしては、一見関係のないように感じるスポーツと政治、スポーツと外国人観光客問題、外国人犯罪の問題は深いところでは密接に絡みついていたのではないだろうか。それを政治の面から捉え、深く考察することで今後の日本の外国人観光客の増加やそれに伴う犯罪の現象を望めるのではないだろうか。


参考文献 


https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/shingikai/koryu/foreign_4_g.html


http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/kihonhou/kaigi/attach/1319930.htm


https://外国人労働者新聞.com/archives/4509


http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/h26/html/b2_1_2_2.html


https://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/tosho/tfukuoka60.pdf


https://r.nikkei.com/article/DGXLZO13742810X00C17A3EA1000?s=0


http://richizm.com/olympic/